【こんな夜更けにバナナかよ】原作と映画の違いは?実話とあらすじについても

映画・アニメ

2018年に公開された映画「こんな夜更けにバナナかよ」

進行性筋ジストロフィーという難病を抱える、北海道在住の男性・鹿野靖明を取材したノンフィクション作品です。

原作は渡辺一史著の『こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』

北海道札幌市が舞台の実話作品ですが、どこまでが本当の話なのでしょうか?

そして映画と原作ではどんな違いがあるのでしょうか?

そこで今回は、「こんな夜更けにバナナかよ」のあらすじや、原作と映画の違いについて解説します!


【こんな夜更けにバナナかよ】のあらすじや制作秘話について

【こんな夜更けにバナナかよ】のあらすじ

1994年・北海道札幌市に住む、鹿野靖明(しかのやすあき)は、34歳の男性で、全身の筋肉が徐々に衰えていく、進行性筋ジストロフィー、通称:筋ジスという難病に侵されていました。

彼は、12歳の時に、筋ジスと判明し、その頃は20歳まで生きるのが難しいと言われていました。

しかし鹿野は好き放題をして暮らし、34歳になってもなお、精力的に生きています。

ただ、病は進行しており、今では手の指先と、首から上しか自力では動かせず、何をするにも、ボランティアの手が必要です。

鹿野はボランティアに、一見すると横柄な態度を取りますが、”障害者だからと卑屈になるわけではなく、ボランティアの経験を積むための練習台になる”というポリシーがあってのこと。

鹿野は、近くの北海道大学へ自らが行き、自分のためのボランティアを募り、鹿野の家にいるボランティアは、すべて自前で用意した「ボラ」でした。

そんな中、書店に勤めるフリーターの安堂美咲は、玉の輿を狙って合コンをして、将来的には田中記念病院の跡取りになるであろう男性・田中久と”教育大生”だと嘘をついて付き合い始めました。

田中は、ボランティア活動だと言って美咲とのデートを日延べすることがあり、美咲は怪しんで、あるとき田中へ会いに、鹿野の自宅へ押しかけます。

そこで美咲は、ボランティアに頼る鹿野にひとめぼれされます。

美咲は、乞われてボランティアをするうちに、鹿野が単にわがままなわけではなく、ある目的があると知るのです。

その後、難病を患いながらも明るく過ごす鹿野に対し、美咲も徐々に評価するように。

美咲は教育大生と嘘をついたことで田中と気まずくなりますが、それに気づいた鹿野は2人を引き合わせるために行動していくのです。

【こんな夜更けにバナナかよ】の制作秘話

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ボランティアの力を借りながら自立生活を送っていた鹿野さん。

そんな彼が住んでいた部屋のセットは札幌「山手団地1号棟」で作られました。

「山手団地1号棟」は鹿野さんが実際に暮らしていた場所で、撮影の直前に空き家となっていたようで、実際に鹿野さんが住んでいたところ使用。

「山手団地1号棟」は、今でも障害を持った方がお住まいなられている集合住宅ということで、廊下と玄関はバリアフリーでフラット。

ボランティアが出入りしている玄関ドアがされていますが、引き戸になっていて、車椅子でもスムーズにで入りが可能です。

そのためセットとして使用するには大きく加工する必要などはなかったようです。

また、鹿野さん部屋は、住まわれていた当時の写真を参考に、作り込まれています。

壁に貼ってある張り紙やレシート入れ、好物が書かれた紙、クラシックが好きだった鹿野さんのオーディオやCDのコレクションも再現されています。

【こんな夜更けにバナナかよ】原作と映画の違いは?

美咲と田中は架空の人物?

劇中でも登場が多い人物である、安堂美咲と田中久。

実は彼らは原作には登場していない、架空の人物です。

美咲も田中も原作に登場する本物のボランティアの人を参考にしたことは、明らかになっていますが、実際には今作を手掛けた前田哲監督や石塚慶生Pの空想から生まれた人物になっています。

原作から今作の映画「こんな夜更けにバナナかよ」の脚本を作る際、最初に作った脚本は、原作に近い脚本を作ったものの、メジャー作品として制作するには難しいと判断。

その結果、「鹿野靖明という人物を映画にする」という視点で再度脚本を練り直し、それに合わせて人物を設定したようです。(参照:https://cinefil.tokyo/_ct/17238721)

鹿野は美咲にプロポーズしていない

https://twitter.com/yuzu_ne8/status/1082788241818832896?s=20

劇中では、ボランティアとして鹿野の元を訪れていたフリーターの美咲に、退院パーティーの際、鹿野からプロポースをしていました。

しかし、このシーンについても、フィクションです。

鹿野さんは美咲と思われる人物とは別の女性と28歳の時に結婚し、その後33歳で離婚。

理由については劇中で語られていませんが、実際はたまたま鹿野さんが連れてきた友人の女性と恋に落ち、その女性は鹿野さんのボランティアの大学生と恋に落ち離婚を切り出されたとのこと。

また、結婚する際には、彼女のお母さんから「娘をだまさないでくれ」と懇願されたそうです。

ちなみに、お子さんはおられなかったようです。

実際の生活は超過酷

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映画では鹿野さんを大泉洋さんが演じているため、コミカルで楽しそうに生活している場面も多くあります。

しかし、実際の生活は映画よりもそう簡単ではありません

原作の著者である渡辺一史さんはノンフィクション作家で、濃密にインタビューを重ね、資料を読み解き作品を描くことで知られています。

原作の雰囲気は映画とは違い、愛や涙、感動を誘うものばかりでなく、時に過酷な現実も赤裸々に描かれています。

障害者とその家族、そして健常者も同様に、生き方を考えることや、人を支えること、ボランティアとは何なのか。。。

法律に訴えかける内容や、直接的にノーマライゼーション(障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すという理念)を考えさせる記述も多くあります。

しかし、劇中では直接言葉やセリフとしては描かれていません。

英検2級には合格していた?

自身に影響を与えたエド・ロングに会うために、英語の勉強を始めていた鹿野さんですが、劇中では英検の2級の試験を受けに行くことが出来ませんでした。

しかし、実際の鹿野さんは英検準2級に合格。

そしてエド・ロングに会うために、手紙も出しており、エド・ロングからも「いつでも歓迎します。」と言う返事もあり、会うことにもなっていました。

しかし、出発直前に肺炎にかかってしまい、入院することとなってしまったため、2人が会う事は叶わぬ夢となったのです。

鹿野さんの最後について

また、劇中で鹿野さんの最後のシーンはありませんでしたが、実際には突然意識不明で救命救急センターに搬送され、一緒に過ごした鹿野さんの家族でもある”鹿野ボラ”が駆けつけます。

しかし、鹿野さんはそんなボランティア達を帰らせ、最後の介助は、民間の介護サービスから派遣されたヘルパーさんが担当したそう。

家族には見せたくないと言う鹿野さんが思いがあったのかもしれませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は、「こんな夜更けにバナナかよ」のあらすじや、原作と映画の違いについて解説しました!

筋ジストロフィーという難病で完全介護を受けながらも色んなことにチャレンジして、最後まで夢を諦めず生き抜いた鹿野靖明さんの半生を実写化した実話に感動した人も多かったのではないでしょうか?

何度でもみたい作品ですね!

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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